Steinberg

2021年01月26日

こんばんは、わーくです。

昔使っていたSteinbergのHypersonic 2というソフトシンセがありまして、これが動作が軽くてとても良い音だったんですが、32bit版しか存在しない&Mac版の動作が芳しくないということで、しばらく使っておりませんでした。

この度Windows機をサブ機としてVienna Emsemble Proのシステムを組むことにしました。Wizooさんの音が懐かしくなり、Hypersonic 2を復活させられないだろうか?と考え、色々試してみました。

それがものすごい試行錯誤の連続だったのですが、、、休日を何日も無駄にするような、、、まあその詳細は最後に書く事にして、とりあえず結論を。


<結論>
  • Hypersonic 2はVienna Emsemble Pro上では動作しない
  • だから、最新のCUBASEを使いつつHypersonic2を使いたくなったら、32bit版の古いCUBASEと、それを動かすサブマシンを用意して、サブマシンのCUBASE上でHypersonic 2を立ち上げ、VST System LinkでメインのCUBASEと接続して運用すれば一応「使える」

<確認環境>
メインマシン
  • Mac mini 2018 + MacOS 10.14.6(Mojave)
  • CUBASE 10.5 Pro(64bit)
  • RME Fireface UFX II
  • Vienna Ensemble Pro 6.5(64bit)

サブマシン
  • MacBook Pro Late 2013 + Windows 10 Pro 20H2(Bootcamp)
  • CUBASE AI 7(32bit)
  • RME Babyface Pro FS
  • Vienna Ensemble Pro Server 6.5(32bit)
  • Vienna Ensemble Pro Server 6.5(64bit)

  • メインマシンとサブマシンはギガビットイーサネット接続
  • RME同士はオプティカルケーブル2本で接続(ADAT)

接続図は下記

VEP6-VSL
(クリックすると大きくなります)

Vienna Ensemble Proというイーサネット経由でプラグインの処理を分散させるソフトと、VST System Linkという光デジタルケーブル同士で2台のパソコンを直接接続することで2台のCUBASEを同期させる機能を同時使用しています。

この状態で、メインマシンのCUBASEから、サブマシンに立ち上げているVEP6の32bit/64bitの両サーバー+CUBASE AIに同時にアクセスしても、何の問題も無く動作させることができました。古い32bit版のプラグインや、Windowsでしか使えないプラグインも昔のように使って遊ぶことができるようになりました。楽しい!!!

ちなみにWindowsのほうで動かしているプラグインの一例です。ああ、もう起動することなどできないと思っていたのに・・・よく帰ってきたね・・・
  • reFX Vanguard
  • Cakewalk Dimension Pro
  • Cakewalk z3ta+
  • E-mu(Creative) Proteus VX
  • Steinberg Hypersonic 2

そして色々動かしているところに加えて、超重量級で有名なVPS AVENGERを4個立ち上げてもCPU負荷は40%も行かない。あれ?MBPってCore i7の2.3GHzのやつだぞ?なんでこんなに軽いんだろう。Windowsマジ優秀だわ・・・

hypersonic2test


下に、週末を3回も犠牲にして積み上げてきた屍の記録を残しておきます・・・新たな犠牲者を出さないためにも・・・。(今更Hypersonic 2を動かしたい人は多くはないと思うのですが)

<Hypersonic 2について試してみて分かっていること>
  • Hypersonic 2はVienna Emsemble Pro上では動作しない、というのは海外のフォーラムに報告あり
  • Mac版ではjBridgeMで発音はするものの、GUIが乱れる
  • Mojaveは64bitOSながら、32bit版プログラムがかろうじて動く最後のMacOSのはずなのに、動かない
  • The Grand2やGroove Agent 3などは、同じ322bit版なのにjBridgeMを使えばMojaveでも動く
  • Mojaveの動いているMacで32bit版のCUBASEを起動してHypersonic 2が読めるかは試していない
  • Windows版のスタンドアロン版は、レジストリを修正しないとコンテンツファイルにたどり着けないバグが時々発生する
  • バグってる時はだいたい「アナログモデリングやFM音源のプリセットは発音するが、サンプルを利用するプリセットは発音しない」っていうふざけた状態になる
  • その時は、レジストリ内のキーで"Hypersonic Content"を含むものを検索し、コンテンツファイルのパスを示しているキーを探し出し、バックスラッシュ(日本語環境だと¥マーク」を2個ずつに書き換えると直る(例・・・C:\data\Hypersonic Contentだったら、C:\\data\\Hypersonic Contentにする)
  • スタンドアロン版はそれで動くようになったとしても、Vienna Ensemble Pro内で読ませたHypersonic 2は、どうやってもモデリング音源しか発音しない
  • Windows 10 October 2020 Update(バージョン20H2)の64bit環境でも、CUBASEの32bit版を起動してプラグインとして読ませれば問題無く動く!

<Windows関係で試してみて苦労したこと>
  • Windows7以前はアップデーターが当たらないので、ネットでドライバを集めている間に普通に警告が出て怖い目にあう
  • Windows8.1はかろうじてKB2919355あたりからパッチを当てていくとWindows Updateが動くようになるが、ここ数年のCPU(うちのはKaby LakeのCore i7-7700K)はプロセッサの要件に引っかかってエラー出まくるので気になる
  • Windows 10 Proに標準装備のHYPER-Vの仮想化環境は、USBメモリには対応するがUSBドングルに対応しないので、Hypersonic 2はおろか、Vienna Ensemble Proも上位版CUBASEも動かない

<Mac関係で試してみて苦労したこと>
  • Parallels Desktop上でWindowsを起動し、その中でCUBASEやVienna Ensemble Proを起動してネットワーク経由で繋ごうと企んだが、「Macに接続したUSBデバイスは、ホストのMacOSか、ゲストのWindows10のどちらかにしか接続できない」+「1台に複数のUSBキーを接続して、ホストとゲストにそれぞれ認識させることができない」ため失敗に終わった

<VST System Linkに関すること>
  • CUBASE AIはUSBドングルが不要で、VST System Linkもしっかりと動くのでスレーブ用にはぴったり
  • 光ケーブルが2本必要
  • オーディオもMIDIも送れる
  • ADAT機器を利用すれば8in/8out分のデータをスレーブ機とやりとりできる
  • オーディオチャンネルのうち1chの1bitをデータのやりとりに使用するので、そのチャンネルだけ23bitのオーディオデータになる
  • 気持ちが悪い、ということならADATを使えば1chはデータ送受信用チャンネルと割り切って、残りの7ch(3Stereo+1Mono)は24bitでやりとりできるので精神衛生上よい
他にも様々な試行錯誤を繰り返したと思うんですが思い出せない…読んだ方に有益っぽいことを思い出したら、追記するかもしれません。そんなこんなで、Hypersonic 2を今も愛するどなたかのお役に立てれば幸いです。

さて、環境も整ったし、音を出して遊んだり曲作ったりと、健全な制作活動に戻りたいと思います('ω')


CUBASE AIはUSBキーが必要ないですが、結局メインマシンでCUBASE Pro、サブマシンでVEPを起動するのでスタインバーグキー(ビエナキー、 USB-eLicenserと同義)は2本いるっていうね…わーくは何かの間違いで4本持っているので足りましたが、よかったら広告から買ってもらえるとやる気につながりますのでお願いいたしますm(_ _)m新型は長さが短くなっているみたいです。
 


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