RADEON

2021年02月14日

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vこんばんは、わーくです。

以前、DTMにかかる電気代の話という話を書きました。今日はその続きです。

FURMANのM-8x AR Jという「常に100Vの電圧を提供するクリーン電源」を導入しましたが、こいつ「そのもの」がどの程度電気を食うのかを、新しい測定器で測っていなかったので、チェックしてみました。

チェックには、「つないですぐ消費電力がわかる」近代型エコワット、「節電エコチェッカー ET30D」を使用しました。昔のエコワットは接続後に数時間経たないと消費電力がわからなかったのですが、これはその瞬間の消費電力や機器の使用時間、積算消費電力、電気代までわかってしまう面白い品です。
安いし、思わず色々な家電製品の消費電力を測りたくなってしまう(自分だけ?

M-8xARJ
これです。電源ONの後、接続機器に通電するまで数秒かかります。丁寧な作りです。

結果はこちら。↓
M-8xARJ-watt
8W!?以前エコワットで測定した時に比べて、だいぶエコだということがわかりました。これなら5時間使ってちょうど1円なので、1日中つけっぱなしにしていても4~5円程度です。意外とエコだな、M-8x AR J!!

ちなみに、この後RME Fireface UFX IIの電源を投入し、CUBASEで曲を再生してみたところ、消費電力は27Wと表示されていました。RME Fireface UFX IIの消費電力は、使用中でも18W程度ということになります。お前、高性能なくせにエコとか、どうなってんのよ…地球とクリエイターに優しいオーディオインターフェース…最強すぎる。

それは置いといて、次に測ってみたのはコスパ抜群のeGPU用BOX「AKiTiO Node」に、ASRock製グラフィックボード(RADEON RX570 4GB)を組み込んだ「DTMおすすめeGPUセット」です。何がおススメかというと、Mojaveの入ったMac mini 2018で動作させることができるeGPUの中で、コストと性能のバランスが最高だからです。これに4K液晶2枚を接続していますが、安定運用できています。

RADEON RX570は新品で安く手に入らないので、ヤフオクや中古品を狙うとよいかもしれません。4GBないと4K@60Hz×2枚の駆動は苦しい気がします。

なぜかMacだとCUBASEを起動してちょっと再生させただけで、GPUの使用率が100%に張り付くトンデモ現象が起きてしまいます。もしかしてGPUフル稼働ってことは、300Wとか食ってるんじゃないの?と思ったので測定してみました。

まずはGPUフル稼働状態。4K@60Hzを2画面とも表示させて、それぞれの画面にプロジェクトウィンドウやコンソールウィンドウ、プラグインのGUIなどを表示させて曲を再生させ、メーターやら画面スクロールやらでGPUを忙しくしてみます。

GPU-usage-full
天井張り付きwwwひどいww

気になるこの時の消費電力は!?
full-usage-watt
83Wでした!

電気食いのRX570フル稼働でもこの程度。1時間で2円くらいです。このおかげでCPUに全力で音響処理を任せられるのなら、許容範囲な気がします。

ここからは、段階的に負荷を落としてみます。4K液晶を1枚だけ動かし、CUBASEでソングデータを再生している状態です。

GPU-usage-half
それだけでGPU稼働率が60%超えるの、やっぱりおかしくね?

で、この時の消費電力はこちら!
usase-half-watt
66Wです!稼働率が下がると、消費電力もちゃんと下がるんですね。えらいぞRADEON!(何が

最後に、GPUを接続したものの、CUBASEを終了させて、Macのデスクトップを表示しているだけの状態です。アクティビティモニタは動いていますが、それはほぼノーカンのようです。
GPU-usage-less
ね、1%も振れてないでしょ?

で、このときの消費電量はというと…
usage-less-watt
52W…AkiTiO Node+ほぼ仕事してないRX570でも、結構電気を食うのね…

ということは、フル稼働でも30Wちょっとしか消費電力が変わらないことになりますね。フル稼働が1~2時間続いても、改造済みのAkiTiO Nodeから発するファンノイズは大したこともなく、このeGPUボックスの筐体そのものの良さが感じられます。

というわけで、わーくがダラダラと長時間かけて制作をしても、大して地球にダメージを与えないことがわかりました。安心して制作に打ち込めるというものです。毎度こんなオチですが、果たして次の曲はいつできるのでしょうか…。


(10:00)

2020年06月15日

こんばんは、わーくです。

前回、Mac mini 2018+eGPUこそ真のDTMer向けMacだ【接続編】なんて記事を書いちゃって、「真のDTMer向けMacって、i9入ってるMBPじゃね…?」となっているわーくです。でも一度大風呂敷を広げてしまったので、ちゃんと畳むまで責任をもって書きたいと思います。

とにかく、112,800円+税で6コア8th i7が選べるMac miniが、eGPUを付けるだけでパフォーマンスが数倍になるというのが面白いわけです。数倍と言っても、ピークが数倍になるわけではなく、ちょっと残念な表現ですが「音がプチプチ言って使い物にならなくなる」ボーダーがものすごく上がるということです。「i7で10万超えるとか既に高くね?」と思った方、Macにコスパを求めるとお腹が痛くなるのでやめましょう。

さて、どのくらいiGPU→eGPUでパフォーマンスが上がったのか。具体例で言うと、iGPU(Intel UHD Graphics 630)のみの時は、バッファ192に設定して、VPS Avengerを3トラック立ち上げただけで、時々CPUが振り切ってしまっていました。その瞬間、音も途切れます。ホントにi7入ってんのか!?とツッコみたくなるくらい悲しいですね。AvengerはUIが派手に動くのので、GPUへの負担も大きいのも起因していると思います。

avenger-3tr
iGPUの使用率が高く、CUBASEのCPUメーターが半分くらいなのに、突然CPUメーターがスパイクして音が途切れます。

しかし、eGPU(RADEON RX570 4GB)に接続し、全ての画像処理をeGPUに任せた状態だと、Avengerを8トラックまで増やし、バッファを32にしても全然プチプチいわないのです。すごい!トラック数が倍以上で、バッファ1/6なのにちゃんと動くとかどんだけよ!

avenger-8tr
CPUメーターが振り切ってるけど音が途切れない!UIをたくさん表示させていても大丈夫!でもAMD Radeon RX 570の使用率は100%張り付き状態wそれにしてもバカっぽい画面ですねw

…あれ?でもよく聞くと小さくプチプチ聞こえるかも…CPUメーター振り切ってるし、プチプチ言ってないわけないですよねw「全然プチプチいわない」はちょっと盛りすぎでしたか。

でもですね、今までと全然違うのは、CPU負荷が100%になっても「再生が止まる」「音が途切れる」ことは一切無い、ということです。CPUメーターが突然スパイクして止まることが無くなりました。高負荷時の粘りが違うというか。。曲作りの序盤で「もうCPUが悲鳴上げるの?早すぎだろ!」ということが無くなりそうです。まあ選んだプリセットによってAvengerの1個あたりの負荷が違うので一概に今までの3倍以上使えるぜ!とは言えませんが、少なくとも2倍くらいボトムアップされていると言えるのではないでしょうか。

そして、発音数が増えることも嬉しいですが、UIをたくさん表示させていても大丈夫なのがポイント。最近のプラグインのUIはカッコいいものが多いですから、値を設定した後も無駄にUIを表示させておいて悦に浸るという楽しみ方がしたい向きにとっては、eGPUは必須であると言えるでしょう!!今まではプラグインのUI全部閉じないと再生すらできないプロジェクトとかありましたから…。

ところで、Geekbench Browserによると、RADEON RX570は、iGPUと比較してMetalのスコアで8倍以上の処理能力をもつわけです。要するに画面描画全般において8倍高性能なんです。しかし、CUBASEの使用中はGPU使用率はほぼ100%に張り付いたままです。どんだけ重いんだよ!

gpu100percent

ということは、GPUの描画のうち、いくらかはGPUが「ギブアップ」して描画されないわけです。UIの滑らかな表示がほんの少しガタつくのはこのためでしょう。以前Catalina+RX5700で実験したときは、GPUの使用率は50%ちょっとだったので、CatalinaのドライバーでRDNAアーキテクチャのグラボを動かすなら、おそらく100%取りこぼし無しで画面描画できることになります。

じゃあそのために、3万円くらいするeGPUケースに、さらに3万円近く出して最新のグラボを入れ、さらにCatalinaにする必要があるのか?私は「そんな必要は無い」と思います。あくまで音の処理をCPUに頑張ってもらうためのeGPUなので、完璧にDAWとかプラグインの画面表示を60fpsでこなしてもらう必要はないわけです。雰囲気でいいの雰囲気でwいくらかGPUの処理がオーバーフローしても、実害はゼロなので、GPUメーターが100%に張り付いていても気にしないのです。そのために、画面描画を外部GPUに丸投げしちゃってるんですから!

というわけで、Mac miniの「トップレーサー兼ハードワーカー。」な実力を100%引き出すために、eGPUを導入するのは個人的には「超おススメ」です。DTM用途なら、1万円そこそこのGPUで十分に使えます。HDCP保護されたiTunesやストリーミングサービスのコンテンツをeGPU経由で楽しむ予定が無ければ、消費電力が低く安価なRX560を選択するのもありでしょう。(とはいえ570や580も、チップの電力管理が賢いので、電気代や熱に悩まされることもないと思います。)4万円ちょっとの追加出費は痛い(正直激痛)ですが、それ以上のパフォーマンスアップが期待できます。

余談ですが、iGPUのみでCUBASEを使っている時に、eGPUの電源を入れると、CUBASEの画像処理は引き続きiGPUが行い、ほかの描画をeGPUが行うという状態になります。さらにMac miniのHDMI接続を切断すると、わざわざCUBASEの描画をiGPUにさせて、それをeGPU経由でディスプレイに送るというスーパー無駄な処理をさせる環境が出来上がります(笑)この、MacのiGPUで処理した映像を別のGPUのアウトプットから出力するって処理、重たいんだろうなあ…興味深い現象でした。

最後に。appleさんお願いです。DTMer向けに、Mac miniのカスタマイズにショボショボでいいのでdGPUを加えてください…+1万とかでRADEON 5300M 4GBくらいのやつ…たぶん4Kシングルディススプレイならそれで十分のはず…熱問題があるならMac miniの本体を1cmくらい厚くしていいので排熱対策をしてください…お願いしますm(_ _)m


(20:00)

2020年06月14日

こんばんは、わーくです。
タイトルで煽ってすみません。でも、ホントにこれなんです。Mac miniを2018年末のPayPay祭りで購入以来、様々な不具合に見舞われ、挙句の果てに2020年モデルが格安で発売し、何度Windows環境で曲作りする知人を羨みここまで来たことか…それも今日までです。

黒いMac miniは、eGPUを使うことでそのDTM性能を100%引き出せる!!


というのも、Mac mini 2018の内蔵グラフィックIntel UHD Graphics 630は、4K 60fpsをオンボードでこなすなかなか「できるヤツ」なのですが、DAWのミキサーやプラグインの画像処理などをしながらソフトシンセやエフェクト処理をフルパワーでこなすには力不足。画面をスクロールさせるとシンセがプチプチいったり、再生が止まったりする、ということが起こるのです。DAW(うちの場合はCUBASE)のCPUメーターがあまり振り切ってない時も、すぐCPUオーバーロードのメッセージが出るし。最大限にCPUパワーを引き出すために、プロジェクト画面の後ろに出てるプラグインのUIを全部閉じるとかしないといけない。それでもミキサーやプロジェクトウィンドウのスクロールにCPU処理をある程度もってかれてしまうのです。いや、ある程度じゃないです。iGPUはMacだとCPUにメチャクチャ負荷かかります。

わーくのMac miniは、Core i7仕様でなので、それまで使っていたMacbook Proより数十パーセント処理能力があるはず。それにも関わらず、Macbook Proで再生できていたプロジェクトが満足に再生できなくなってしまっている、ということから色々調べました。

今回用意したのは、
・eGPUボックス(AKiTiO Node)
・ビデオカード(ASRock Radeon RX 570 4GB)
・HDMIセレクター(2in 1out仕様)

AKiTiO Nodeのほうは、とにかく「安い」から。ポイント換算すると2万円台で購入できることもあります。(購入後、昨年末に旧モデルのB級品が1万くらいで出てるの知った時はゲロ吐きそうになりましたが、そんなこと言ってたら何も買えぬ。)ビデオカードは、AppleとNVidiaの仲が悪いのか知りませんがAMDのグラボしかサポートされていないので仕方なくRadeon。買えるなら格安の470あたりが狙い目です。DTM目的なら消費電力が低いRX560が良いですが、著作権保護されている動画が再生できないらしいので一応NGです。あと、わーくはオーディオインターフェースとプラグインの関係でMojaveを使い続けているので、最新のRX5700や5500は使えません。それと、MacのeGPUに適しているRADEON RX470チップは、ビットコインマイニングに適していたらしく、大量にヤフオクに中古品が流れています。しかしそいつらはまさに死ぬほど酷使されてきた中古品なので、安定運用を目指すなら避けるのが吉。というわけで、新品のRX570を購入しました。動作報告がないのでドキドキでしたが、ASRockの4GBのもので結果オーライでした。普通に静かだし!

(ちなみに手元にあったMSIのRX570 8G OCモデルでも動きました。ただ、4K描画するだけなら8GBは必要なく、さらに言うとRX5700くらいないと結局フレーム落ちするので4GBで十分です。フレーム落ちしても、DTM用途で言うと全然問題ありません。メーターやプラグインの描画が一瞬カクつくくらいで、音の処理には影響ゼロです。この辺はこの後【負荷編】で書きます。)

しかし、Mac mini 2018(Mojave)にeGPUを接続して使うにはいろいろと茨の道がありまして、Poralis世代かVEGA 56 or 64のチップじゃないと動かないとか、PoralisでもグラボのBIOSと相性問題が出るとか出ないとか、eGPUに接続した画面にはアップルマークのブート画面は出ないとか、Catalinaからは出るようになったとか、HDMI端子にダミープラグぶっこんでおかないと安定して動かないとか、HDMIから砂嵐が出るとか、そもそもHDMIに何か刺さってるとMac miniがiGPUも働かせちゃうからCPUがDAWの仕事に集中しないとかチップの熱も出ちゃうだとか。。完全にMな人向けの仕様てんこ盛りなのです。電力や労力を節約しながら最大限の効果を、とこだわっていたら、無駄にPCの知識が増えてしまったんだぜ。完全に行動様式がドザで自作erですな。(わーくは人生の半分以上、ドザかつ自作erです。)

さらに。MojaveでeGPUを使うのは茨 of the 茨の道。Catalinaだとド安定なハードウェア構成でも、Mojaveだとすんなりと動かない…ということが多発するのです。目指したのは、下記の条件。

・ケーブルの抜き差しをしないで済む
・普段は無音のMac miniのみで運用したい
・DTMをする時には画面描画にeGPUの力を借りたい
・eGPU使用中はiGPUをOFFにしてCPUを音の処理に集中させたい

で、結果、下記のように接続することで満足する結果になりました。

haisen


まず、Macの起動時はHDMIセレクターをMac側ONにして、eGPUケースは電源OFFにしておきます。そうすると、4K液晶にHDMI接続で4K60fpsで画面が送られてきます。

そして、DTMを始める時には、まずeGPUの電源をONにして認識させ、その後にHDMIセレクターを「何も繋がっていない」方に切り替えます。この時、2in1outで接続しておくのがポイントで、inを何も繋がっていない側に切り替えることで、「HDMIケーブルがMacに接続されていない」状態にすることができ、結果iGPUが使われなくなります。アクティビティモニタでIntel UHD Graphics 630のほうのグラフが全く振れなくなるので多分そうだと信じたいです。ディスプレイはHDMIから信号が来なくなるので、自動的にDisplayPort入力に切り替わり、全ての画像処理がeGPUに渡されることになります。

ただ1つ問題がありまして、この後iGPUを右上のメニューから切り離そうとすると、100%強制終了→再起動となってしまいます。これはMojaveのバグだそうで、回避するにはeGPUを使用後にiGPUのみに戻すには一度Macの電源を落とすしかないようです。

それと、eGPU使用中にMac miniをスリープした場合、AkiTiO Nodeがいったん沈黙→画面は暗いまま突然復帰→数秒でまた沈黙…という謎のステップを経てスリープします。その後、一応復帰はできるのですが、時々復帰することができない場合もあるので、作業中にスリープして席を離れる時は、DAWのプロジェクトを保存しておくことを忘れないようにしてください。とりあえず現在はeGPU接続でスリープを常用しながら運用できるか実験中です。

ちなみに、ViewSonicの4K液晶、コスパ抜群ですが、入力信号が来てから画面を表示するのにやたら(10秒とか)時間がかかるのと、信号の許容レンジが狭いのか、時々スリープ復帰後に画面が表示されないことがあるので、知っておくと気が楽です。さらに、HDMIセレクターですが、なぜ入力1ではなく2のほうに繋いでいるのかというと、切り替えボタンONで1、OFFで2なので、1に繋ぐと接触が悪いのか表示が不安定なことがあるからです。やっぱり安いのには理由があるのね。でも、使い方で十分カバーできるので、良い買い物でした。

今回の件を解決するにあたって、INFORNOGRAPHYさんで勉強させて頂きました。不可解な動きの理由の一端が理解できたような気がします。貴重な情報を分かりやすくまとめていただき、お世話になりました。


(17:51)

2020年06月06日

こんにちは、わーくです。

Fluid Motionで動画を楽しむ環境を格安で構築しようと頑張って参りましたが、どうやら着地点が見えたのでご報告です。

イチからPCを組み立てようという方は、Ryzenで環境を作って、BlueskyFRCUtil+MPC-BEで終了なのですが、Intel環境でFluid Motionを有効にする方法を試した結果、「古くて安いFluid Motion対応グラボを、現在使っているグラボに足して2枚挿しにする」というところに落ち着きました。

環境
CPU…Core i7 Kaby Lake @ 4.4GHz
Motherboard…ASUSTeK ROG STRIX Z270F GAMING
Memory… DDR4 16GB
GraphicBoard…SAPPHIRE PULSE RADEON RX 5700 8G
電源…コルセアの650Wのやつ(詳細不明)
あとはシステム用のSSDとか、データ用のHDDとか…

で、今回足したFluid Motion専用グラボは、Radeon R7 250です。ボードだけで購入したのでどこの何かは不明w決め手は1スロット、補助電源不要、そして何より安い(ジャンクで3000円以下)ということです。

こいつをマザーボードの一番下のPCI-Express x4スロットに挿入し、一番上のPCI-Expressスロットの転送速度を下がらないようにして(ASUSのROG STRIX Z270F GAMINGというマザーボードは、PCI-Express x16のスロット1とスロット2にグラボを挿すと、両方とも最大転送速度がx8に制限されます)、あくまでFluid Motion専用のチップとして働いてもらうことにしました。

懸念していたのは、Fluid Motionのビデオカードから液晶ディスプレイに映像を接続しないとFluid Motionの効果が得られないのでは…ということでしたが、杞憂に終わりました。スロット1に挿したRADEON RX 5700にディスプレイを接続して3Dゲームを楽しみつつ、スロット3に接続したR7 250にFluid Motion処理をさせ、RX5700から処理済みの60fpsの動画を出力するということが出来ました。すごい!

さらに懸念していたのは、古いグラボなので高解像度の動画を処理できるのだろうか…ということです。R7 250はクロック1000MHz、GDDR3 2GB。果たしてこのスペックでBlu-rayクラスの動画のFluid Motion処理ができるのだろうか?と懸念していましたが、これも大丈夫でした。GPU使用率34%前後で推移し、1時間で欠落フレームも30程度で済みました。Radeon SoftwareでR7 250のファンの速度や電圧を下げてもきっちり動きました。ファンが小さく高回転すると耳障りなノイズがすると予想していたのですが、標準でも騒音は大したことなく、さらにファンの速度を下げても、Fluid Motion処理できてました。

(2021年1月追記)

Fluid Motionの処理しかさせてないから、ファンを回さなくてもダイジョブなんじゃね?という発想から、ためしにファンの電源コネクタを抜いてみました。室温18度、フルHDの動画を10分くらい再生させて90度を超えてまだ温度上昇してます。GPUの温度限界は100℃くらいという説もありますし、GPUの使用率も60%~40%くらい使い続けていて、このままではやばい、ということでCPUファンを再度接続しました(笑)

RADEON-R250-TEMPERATURE
画像は動画を止めたあとの様子。GPU使用率が0に、クロックが半分以下に、GPUの温度が徐々に下がっているのが分かります。

あと、ためしに動画を2つ同時に再生させてみてGPUの使用率を観察したのですが、変化は見られませんでした。動画のフレームも不安定になりましたし、GPU1つにつきFluid Motion処理できる動画は1つなのかもしれません。そもそも動画2つなんてあまり観る機会もないでしょうけど…。

(追記ここまで)


動画の再生に使ったソフトウェアは、MPC-BE、Directshowフィルターはご存じBluesky Frame Rate Converter。GPUのタブから、R7 200 SeriesのほうだけAMD Fluid Motion Videoを有効にし、AFMは自動ではなくモード1か2に。今回はディスプレイに接続しているグラボとFluid Motionを処理させているグラボが違うのでZero-CopyモードはOFFで。これでMPC-BEで設定することで再生できました。(そちらの設定は詳しいサイトにお任せすることにして。。)


MPC-BEはCtrl+4で統計情報を出しておけるので、フレームレートのチェックに便利ですね。でも、設定をちゃんとしておかないと、コピーフレームだけ生成しまくってフレーム数は60fpsだけどフレーム補完されてない残念な再生状態ができあがるので、注意が必要です。

これで昔録画していた動画達が消化できる目処がついた…ステイホームおわたけど…

さて、これでWindows環境は整った…あとは制作用のMac miniをちゃんと動くようにせな…


-------------------------以下、2021.1.2更新---------------------------

令和3年1月上旬の時点で、Bluesky Frame Rate Converterはバージョン3.1.0まで上がってきていますね。設定項目も増えて、より高画質で再生できるようになりました。我が家は下記の設定で動かしています。

BFRC310

ところで、Windows10をアップデートして、20H2(Windows 10 October 2020 Update)にすると、OSの挙動が変わったようで、BlueskyFRCをバージョンアップしないと複数ビデオカード時の動作に影響が出たり、そもそも設定自体が反映されなかったりします。

具体的には、設定時にBlueskyFRCのアイコン、もしくは、BlueskyFRCを使用するプレイヤー(MPC-BE x64)のアイコンを右クリックして、「管理者として実行」しないと、設定が反映されません。お困りの方は試してみてください



(17:24)