AKiTiO

2021年08月28日

こんばんは、わーくです。

Mac miniでゴリゴリにDTMをする際にほぼ必須であろうeGPU。画面描画をeGPUに任せることで、CPUの能力をほぼプラグインの処理のために割くことができるようになります。というより、Mac mini 2018にHDMIで4K60Hzのディスプレイを繋ごうものなら、10トラック程度のスタンダードMIDIファイル(SMF)をSoundCanvas VAで鳴らすことすらできないくらい、画面描画にリソースをもってかれてしまうくらい非力(※)なのです。

Mac mini 2018の初期OSであるMojaveではアプリごとにeGPUを優先使用する・しないを切り替えたりと高度な機能に対応しているのですが、なんと「eGPUを繋いだままだとMacがちゃんと起動しない」という馬鹿みたいな問題を抱えています。ですから、Mac miniの電源をON→eGPUをON→Mac miniのHDMIをOFF、の順番で操作しないと、GUI描画をeGPUに全て任せるようにできません。電源つける順番気にしなきゃいけないとか昭和かよ!と突っ込んでしまうのは、昭和生まれのサガです。

わーくの環境では1000円くらいのHDMIセレクターを使って、Macの画面をCPU内蔵のグラフィック(iGPU)から出すか、eGPUから出すかをボタンひとつで選べるようにしてあります。

普段ネットやその他の作業をするときはiGPUでお手軽&節電環境で、DTMをするときにはeGPUを入れてフルパワーで、と切り替えております。

で、時々このHDMIセレクターを切り忘れて(そしてeGPUを付けっぱなしにしていて)、Mac miniの電源を入れてしまい、画面が真っ白になって強制電源断しかできない、という状況になってしまっていました。もしそのショックでSSDが㌧だら・・・とか考えると、冷や汁が止まりません。

なんと!実はそんな時も、実はMacはハングアップしていない、ということに気付きました。画面が真っ白なだけで、ちゃんとOSは動いています。というか、「デスクトップ画面(GUI)結局どこから出力すればええの?」ってところで止まっているようで、他のプロセスは絶賛お仕事中のようです。

そこで!これまでは電源長押しでブチ切りしていましたが!!

「画面が真っ白になってしまったら、HDMIセレクターを切り替えてMac miniとディスプレイをHDMI接続した状態にして、eGPUの電源を切る。」

これで、何事も無かったように普通にHDMI経由でデスクトップが表示されることに気付きました。OSからの警告メッセージもなし。今までMac miniの電源を長押しして終了するしかなかったのが、本体や外付けのSSDを危険にさらすことなく使い続けることができるようになりました。

Mojave環境でのeGPUの運用は少し面倒でしたが、この解決法が見つかったので少し敷居が低くなりました。

しかし、「これひょっとしてeGPUの接続解除もできるんじゃね?」と調子に乗って”メニューバーアイコンからのeGPU接続解除”を試したら、案の定Mac miniが強制再起動しました…やはりeGPUを一度ONにしたからには、シャットダウンするまでは接続解除はできないのね。残念!


※Core i7 3.2GHz + 32GBメモリの2018年版Mac miniの最上位モデル+RME Fireface UFX II(バッファ64サンプル)でも、背面HDMIから4Kモニターに繋いだ状態(iGPU使用)で曲を再生すると、フェーダーやプロジェクトウィンドウの描画だけでCPUが悲鳴を上げて、再生音にプチプチノイズが乗りまくります。再生速度が遅くなるくらい酷いノイズです。CUBASEのミキサーやプロジェクト画面を表示させないようにするとiGPUでもノイズが乗らなくなるので、iGPUがノイズの犯人であることは間違いありません。どんなに高速なCPUでも、iGPUである限り下位モデルと似たような現象が起きるようなので技術的には興味深い現象です。
 


(18:44)

2021年02月14日

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vこんばんは、わーくです。

以前、DTMにかかる電気代の話という話を書きました。今日はその続きです。

FURMANのM-8x AR Jという「常に100Vの電圧を提供するクリーン電源」を導入しましたが、こいつ「そのもの」がどの程度電気を食うのかを、新しい測定器で測っていなかったので、チェックしてみました。

チェックには、「つないですぐ消費電力がわかる」近代型エコワット、「節電エコチェッカー ET30D」を使用しました。昔のエコワットは接続後に数時間経たないと消費電力がわからなかったのですが、これはその瞬間の消費電力や機器の使用時間、積算消費電力、電気代までわかってしまう面白い品です。
安いし、思わず色々な家電製品の消費電力を測りたくなってしまう(自分だけ?

M-8xARJ
これです。電源ONの後、接続機器に通電するまで数秒かかります。丁寧な作りです。

結果はこちら。↓
M-8xARJ-watt
8W!?以前エコワットで測定した時に比べて、だいぶエコだということがわかりました。これなら5時間使ってちょうど1円なので、1日中つけっぱなしにしていても4~5円程度です。意外とエコだな、M-8x AR J!!

ちなみに、この後RME Fireface UFX IIの電源を投入し、CUBASEで曲を再生してみたところ、消費電力は27Wと表示されていました。RME Fireface UFX IIの消費電力は、使用中でも18W程度ということになります。お前、高性能なくせにエコとか、どうなってんのよ…地球とクリエイターに優しいオーディオインターフェース…最強すぎる。

それは置いといて、次に測ってみたのはコスパ抜群のeGPU用BOX「AKiTiO Node」に、ASRock製グラフィックボード(RADEON RX570 4GB)を組み込んだ「DTMおすすめeGPUセット」です。何がおススメかというと、Mojaveの入ったMac mini 2018で動作させることができるeGPUの中で、コストと性能のバランスが最高だからです。これに4K液晶2枚を接続していますが、安定運用できています。

RADEON RX570は新品で安く手に入らないので、ヤフオクや中古品を狙うとよいかもしれません。4GBないと4K@60Hz×2枚の駆動は苦しい気がします。

なぜかMacだとCUBASEを起動してちょっと再生させただけで、GPUの使用率が100%に張り付くトンデモ現象が起きてしまいます。もしかしてGPUフル稼働ってことは、300Wとか食ってるんじゃないの?と思ったので測定してみました。

まずはGPUフル稼働状態。4K@60Hzを2画面とも表示させて、それぞれの画面にプロジェクトウィンドウやコンソールウィンドウ、プラグインのGUIなどを表示させて曲を再生させ、メーターやら画面スクロールやらでGPUを忙しくしてみます。

GPU-usage-full
天井張り付きwwwひどいww

気になるこの時の消費電力は!?
full-usage-watt
83Wでした!

電気食いのRX570フル稼働でもこの程度。1時間で2円くらいです。このおかげでCPUに全力で音響処理を任せられるのなら、許容範囲な気がします。

ここからは、段階的に負荷を落としてみます。4K液晶を1枚だけ動かし、CUBASEでソングデータを再生している状態です。

GPU-usage-half
それだけでGPU稼働率が60%超えるの、やっぱりおかしくね?

で、この時の消費電力はこちら!
usase-half-watt
66Wです!稼働率が下がると、消費電力もちゃんと下がるんですね。えらいぞRADEON!(何が

最後に、GPUを接続したものの、CUBASEを終了させて、Macのデスクトップを表示しているだけの状態です。アクティビティモニタは動いていますが、それはほぼノーカンのようです。
GPU-usage-less
ね、1%も振れてないでしょ?

で、このときの消費電量はというと…
usage-less-watt
52W…AkiTiO Node+ほぼ仕事してないRX570でも、結構電気を食うのね…

ということは、フル稼働でも30Wちょっとしか消費電力が変わらないことになりますね。フル稼働が1~2時間続いても、改造済みのAkiTiO Nodeから発するファンノイズは大したこともなく、このeGPUボックスの筐体そのものの良さが感じられます。

というわけで、わーくがダラダラと長時間かけて制作をしても、大して地球にダメージを与えないことがわかりました。安心して制作に打ち込めるというものです。毎度こんなオチですが、果たして次の曲はいつできるのでしょうか…。


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