2020年06月14日

こんばんは、わーくです。
タイトルで煽ってすみません。でも、ホントにこれなんです。Mac miniを2018年末のPayPay祭りで購入以来、様々な不具合に見舞われ、挙句の果てに2020年モデルが格安で発売し、何度Windows環境で曲作りする知人を羨みここまで来たことか…それも今日までです。

黒いMac miniは、eGPUを使うことでそのDTM性能を100%引き出せる!!


というのも、Mac mini 2018の内蔵グラフィックIntel UHD Graphics 630は、4K 60fpsをオンボードでこなすなかなか「できるヤツ」なのですが、DAWのミキサーやプラグインの画像処理などをしながらソフトシンセやエフェクト処理をフルパワーでこなすには力不足。画面をスクロールさせるとシンセがプチプチいったり、再生が止まったりする、ということが起こるのです。DAW(うちの場合はCUBASE)のCPUメーターがあまり振り切ってない時も、すぐCPUオーバーロードのメッセージが出るし。最大限にCPUパワーを引き出すために、プロジェクト画面の後ろに出てるプラグインのUIを全部閉じるとかしないといけない。それでもミキサーやプロジェクトウィンドウのスクロールにCPU処理をある程度もってかれてしまうのです。いや、ある程度じゃないです。iGPUはMacだとCPUにメチャクチャ負荷かかります。

わーくのMac miniは、Core i7仕様でなので、それまで使っていたMacbook Proより数十パーセント処理能力があるはず。それにも関わらず、Macbook Proで再生できていたプロジェクトが満足に再生できなくなってしまっている、ということから色々調べました。

今回用意したのは、
・eGPUボックス(AKiTiO Node)
・ビデオカード(ASRock Radeon RX 570 4GB)
・HDMIセレクター(2in 1out仕様)

AKiTiO Nodeのほうは、とにかく「安い」から。ポイント換算すると2万円台で購入できることもあります。(購入後、昨年末に旧モデルのB級品が1万くらいで出てるの知った時はゲロ吐きそうになりましたが、そんなこと言ってたら何も買えぬ。)ビデオカードは、AppleとNVidiaの仲が悪いのか知りませんがAMDのグラボしかサポートされていないので仕方なくRadeon。買えるなら格安の470あたりが狙い目です。DTM目的なら消費電力が低いRX560が良いですが、著作権保護されている動画が再生できないらしいので一応NGです。あと、わーくはオーディオインターフェースとプラグインの関係でMojaveを使い続けているので、最新のRX5700や5500は使えません。それと、MacのeGPUに適しているRADEON RX470チップは、ビットコインマイニングに適していたらしく、大量にヤフオクに中古品が流れています。しかしそいつらはまさに死ぬほど酷使されてきた中古品なので、安定運用を目指すなら避けるのが吉。というわけで、新品のRX570を購入しました。動作報告がないのでドキドキでしたが、ASRockの4GBのもので結果オーライでした。普通に静かだし!

(ちなみに手元にあったMSIのRX570 8G OCモデルでも動きました。ただ、4K描画するだけなら8GBは必要なく、さらに言うとRX5700くらいないと結局フレーム落ちするので4GBで十分です。フレーム落ちしても、DTM用途で言うと全然問題ありません。メーターやプラグインの描画が一瞬カクつくくらいで、音の処理には影響ゼロです。この辺はこの後【負荷編】で書きます。)

しかし、Mac mini 2018(Mojave)にeGPUを接続して使うにはいろいろと茨の道がありまして、Poralis世代かVEGA 56 or 64のチップじゃないと動かないとか、PoralisでもグラボのBIOSと相性問題が出るとか出ないとか、eGPUに接続した画面にはアップルマークのブート画面は出ないとか、Catalinaからは出るようになったとか、HDMI端子にダミープラグぶっこんでおかないと安定して動かないとか、HDMIから砂嵐が出るとか、そもそもHDMIに何か刺さってるとMac miniがiGPUも働かせちゃうからCPUがDAWの仕事に集中しないとかチップの熱も出ちゃうだとか。。完全にMな人向けの仕様てんこ盛りなのです。電力や労力を節約しながら最大限の効果を、とこだわっていたら、無駄にPCの知識が増えてしまったんだぜ。完全に行動様式がドザで自作erですな。(わーくは人生の半分以上、ドザかつ自作erです。)

さらに。MojaveでeGPUを使うのは茨 of the 茨の道。Catalinaだとド安定なハードウェア構成でも、Mojaveだとすんなりと動かない…ということが多発するのです。目指したのは、下記の条件。

・ケーブルの抜き差しをしないで済む
・普段は無音のMac miniのみで運用したい
・DTMをする時には画面描画にeGPUの力を借りたい
・eGPU使用中はiGPUをOFFにしてCPUを音の処理に集中させたい

で、結果、下記のように接続することで満足する結果になりました。

haisen


まず、Macの起動時はHDMIセレクターをMac側ONにして、eGPUケースは電源OFFにしておきます。そうすると、4K液晶にHDMI接続で4K60fpsで画面が送られてきます。

そして、DTMを始める時には、まずeGPUの電源をONにして認識させ、その後にHDMIセレクターを「何も繋がっていない」方に切り替えます。この時、2in1outで接続しておくのがポイントで、inを何も繋がっていない側に切り替えることで、「HDMIケーブルがMacに接続されていない」状態にすることができ、結果iGPUが使われなくなります。アクティビティモニタでIntel UHD Graphics 630のほうのグラフが全く振れなくなるので多分そうだと信じたいです。ディスプレイはHDMIから信号が来なくなるので、自動的にDisplayPort入力に切り替わり、全ての画像処理がeGPUに渡されることになります。

ただ1つ問題がありまして、この後iGPUを右上のメニューから切り離そうとすると、100%強制終了→再起動となってしまいます。これはMojaveのバグだそうで、回避するにはeGPUを使用後にiGPUのみに戻すには一度Macの電源を落とすしかないようです。

それと、eGPU使用中にMac miniをスリープした場合、AkiTiO Nodeがいったん沈黙→画面は暗いまま突然復帰→数秒でまた沈黙…という謎のステップを経てスリープします。その後、一応復帰はできるのですが、時々復帰することができない場合もあるので、作業中にスリープして席を離れる時は、DAWのプロジェクトを保存しておくことを忘れないようにしてください。とりあえず現在はeGPU接続でスリープを常用しながら運用できるか実験中です。

ちなみに、ViewSonicの4K液晶、コスパ抜群ですが、入力信号が来てから画面を表示するのにやたら(10秒とか)時間がかかるのと、信号の許容レンジが狭いのか、時々スリープ復帰後に画面が表示されないことがあるので、知っておくと気が楽です。さらに、HDMIセレクターですが、なぜ入力1ではなく2のほうに繋いでいるのかというと、切り替えボタンONで1、OFFで2なので、1に繋ぐと接触が悪いのか表示が不安定なことがあるからです。やっぱり安いのには理由があるのね。でも、使い方で十分カバーできるので、良い買い物でした。

今回の件を解決するにあたって、INFORNOGRAPHYさんで勉強させて頂きました。不可解な動きの理由の一端が理解できたような気がします。貴重な情報を分かりやすくまとめていただき、お世話になりました。


(17:51)

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