2025年02月17日

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どうも、わーくです。

昨年末から大容量の音源をいくつか購入し、SSD容量が足りなくなったため増設することにしました。そもそも母艦のMac Studioは、内蔵SSDをApple Storeでの購入時にカスタマイズして増やすとめちゃくちゃ高額になるので、内蔵SSDは最小の512GBを選択してOS+アプリ用と割り切って使用。容量を食うソフトウェア音源は外付けのSSDに保存して使うことにしていました。

結論から言うと、今は4TBのNVMe接続 M.2 SSD 2枚を、Thunderbolt4(内部的にはUSB4 Gen3x2)接続のエンクロージャーにそれぞれ格納して使っています。1枚はMonstar Strage MS950、1枚はAcer Predator GM7です。計8TB、今のところ6TB弱の使用量なので、しばらくは困ることはなさそうです。

asus-predator-gm7
Acer Predator GM7 4TBをMNGしました!!!

1年前まではCrucialのSSD(P3Plus)1枚で使っていたのですが、政治的な理由で市場に大量に出回ったYMTC製 232層のSSD「Monstar Strage MS950(ヒートシンクレス)」を追加でゲット。それが本当に高性能だったため、P3Plusもリプレースしてしまうことにしました。

ただ、Monstar StrageやHIKUSEMIなど代表されるこの手の安価なSSDは、俗に「蝉族」などと呼ばれ、同じ製品でも当たりはずれがあるということでした。わーくが当時39,800円で購入したMonstar Strage MS950 4TB ヒートシンクレスモデルはTLCを採用した「当たり」だったようで、シーケンシャル・ランダムの読み書き共に非常に高速なものでした。

さて、P3Plusを超える爆速なSSDを導入したいけど、なるべくなら安く済ませたい。スペック値は似たり寄ったりだけども、環境によって速度が極端に遅くなる地雷SSDも存在する・・・聞いたこともない中華メーカーの名前では判断できない(爆)。どうしようかと悩んでいたところ、Acer(台湾メーカー)のPredatorシリーズもYMTC製232層のチップを採用し高速、そして5年保証もついているということで、こちらを購入することにしました。わーくはPC自作歴もそこそこ長いため、Acerは「信頼できる老舗メーカー」として認識しているのでした。


2025年2月現在の相場だと、4TBで4万円弱といったところでしょうか。この価格で5年保証付きの超高速TLC SSDが手に入るなら、長い目で考えたら安いものです(高いけど)。

で、実際に買ってみたのでベンチマークの比較を。Mac Studio M1MaxモデルにThunderbolt4(USB4)接続でつないだ値で比較してみます。

Crucial P3Plus 4TB
P3Plus-tb4-ASM246X

Monstar Strage MS950 4TB
MS950-tb4-ASM246X

Acer Predator GM7
Predotor-tb4-ASM246X

ランダムリードでいうとMS950がやや速いですが、シーケンシャルリードや各種ライト速度を勘案するとほぼ五分五分といったところです。

今までUSB3接続で使っていたのをThunderbolt4接続にしたため、P3Plus 4TBもかなり高速化されましたが、Predator GM7に換装したらさらに高速化されました。最近UJAMのVirtual Pianistの音色切り替えをSSDの体感速度測定によく用いるのですが、Thunderbolt4接続になったP3Plusが2秒で切り替えできていたところを、Predator GM7では1秒未満(!)で切り替えできてしまいました。なんだこれ、もはやハードシンセか?


UJAMだけではありません。わーくが使っている比較的「重たい」音源も軒並み高速化されました。
  • SpectrasonicsOmnisphere2…一瞬で音色が切り替わる
  • Prominy SC…数GBのスーパーマルチセッションが1秒で発音準備完了
  • UVI Falcon…アコギ音源(Sunbird)が2秒で99%読込完了(残り1%はCPUの処理ぽい)
  • Synthogy Ivory III…Bosendorfer 290が1秒未満で発音準備完了
  • EASTWEST Hollywood Strings…Keyswitch切替Ensembleが1秒未満で発音準備完了
  • その他ソフトシンセ全般…体感ゼロで音色切り替え可能
なんていうか、ロード時間はもはや極限まで速い気がします…プラグイン立ち上げの待ち時間のほうがずっと待たされている感じが強いです。それはCPUの性能だし、待たされるといっても長くて3秒程度なので、もうこれ以上速くならなくていいんじゃないかな、というレベルです。もう曲作りが遅い理由に一切の言い訳ができなくなってしまった感すらあります…。


この選択肢の中では一番高速なMS950を購入すればいいじゃん、という話だとも思うのですが、Monstar StrageのMS950の4TBモデルは、ヒートシンク付き・無し版でなぜか「ヒートシンク付き版のほうが安い」という謎状態なうえ、価格もやや高騰しています(ヒートシンク無し版4TBで49,800円程度)。噂によると、ヒートシンク付き版のSSDはQLCを採用しており、スペックとはかけ離れた体感性能(悪い意味で)なんだそうです。

となると、MS950のヒートシンクレスモデルを買えば良いわけですが、5万円は高い。それとほぼ同等の性能のSSDを4万円弱で保証付きで買えて、なおかつ台湾メーカーであることを考慮(?)すると、Acer Predatorシリーズは個人的にはかなりベターな選択だと思っています。←台湾びいき

というわけで、「蝉族のSSDって当たりはずれあるんでしょ?」とか「怪しいSSDは買いたくない」とかお悩みの方には、AcerのPredatorシリーズのSSDをオススメしますm(_ _)m



<番外編>

ここからは、Predator GM7シリーズとGM7000シリーズの比較のお話です。GM7推しなのか、GM7000推しなのか、読んでいて分からなくなる内容かもしれませんが、読んでくださった方の価値観と照らし合わせて、用途に合ったほうを選んでいただければ書いた甲斐があるというものです。というわけで駄文散文になりますが、続けさせていただきます。



現在AmazonでDRAM搭載のPredator M.2 SSD GM7000シリーズが10%オフクーポン発行中、適用するとGM7とほぼ同額になる価格で販売されています。GM7000のほうがランダムリードの値が最大40%ほど速いようですが、チップが232層ではなく176層であるというYouTubeの投稿や、2TB以上だと両面実装という噂も聞きます(GM7は4TBでも片面実装です)。一般的に片面実装のほうが低電力・低発熱ですが、GM7000シリーズは「発熱がマイルドである」という投稿も散見されますので、ここについては直接比較をした記事が見つけられないため断定できません。ただ、メーカーサイトによると、待機電力が(DRAMに常時通電しなければいけない分?)GM7000のほうが1Wほど多いようです。その代わりといっては何ですが、TBWは3000TBなのでGM7の2400TBより長寿命設計です。ただし、これはDRAM搭載の分、2割くらいは直接SSDに書き込むのではなくバッファへのアクセスで済むだろう、という試算を考慮した値であるかもしれません。さらに言うと、SSDの寿命は読込より書込のほうが影響が大きいため、「1度音源データを置いたら、あとはほぼ読込のみ」のDTM用途のSSDは、TBWの値は考慮しなくてよいとも考えられます。

つまり、GM7ではなくGM7000にするメリットは
  • DRAM搭載でランダムアクセスが速い
  • GM7より高寿命(DRAMの恩恵かも)
  • DRAMキャッシュが仕事をする分、SSDの発熱が抑えられている可能性あり(他サイトで指摘されているが、GM7との比較検討はされていない模様)

GM7000のデメリットは
  • DRAMのせいかチップのせいかは不明だが、消費電力が若干高い(常時0.5~1W程度。アイドル時で比較すると20倍の差、読み込み時比較で10%程度の差
  • 価格が高い(実売10%程度)
  • 大容量モデルはチップが232層ではなく、両面実装である(発熱対策が面倒)

などの点が挙げられます。はっきり言って普通に使う分には速度性能のよいGM7000にしておいた方が幸せになれる気がしますが、最大の問題はASM2464PDチップ採用の外付けケースで両面実装のGM7000を使うと、発熱の処理に一抹の不安がある、というという点です。ケース外側に向いているチップは、熱伝導用のサーマルパッドで熱を金属ケースに逃がせば何とかなるだろ、くらいに考えられるのですが、反対側に実装されているチップをちゃんと冷やす手段がないですからね。ASM2464PDが発熱するうえにSSDもアチアチでは不安をぬぐい切れません。10~20分くらい書き込み続けると、サーマルスロットリングが発生するといわれる80℃に余裕で到達するようですし。

一方で、DTM用途では「10分も本気で書き込みっぱなしの状況などほぼ発生しない」でしょうし(スタジオで録音に使っている場合には起き得ますが)、サーマルスロットリングが発生したところでアクセス速度が数割減になるくらいで、はっきり言って問題として体感することはないと思われます。あと、DTMでは「ストリーミング中の大容量音源は、多くの場合はプロジェクト再生中に同じデータに頻繁にアクセスする」ので、DRAMの恩恵は小さくはないのだろうと想像されますので、GM7000はスペックで考えると非常によい選択肢だと考えられます。

しかし!わーくが実際にPredator GM7 4TBを使っている印象では、DRAMレスでも十分すぎるほど速いです。これだけ速ければ、消費電力が低くて熱対策も容易な232層片面実装DRAMレスであるGM7にアドバンテージを感じます。電気代換算だと1W×1日平均4時間×365日=年間1460W/h、電気代にして40~50円ですが(^^; むしろ熱のせいでSSDの寿命が縮まる点が心配です。

ただキャッシュのDRAMが頑張る分、SSDのメモリーチップは熱くならない説もあるので何とも言えない…。さらに、GM7比でGM7000のランダムアクセスが4割も速いのは体感にもつながるかもしれませんので、速度重視な方には、値段が同じならDRAM搭載のGM7000シリーズのほうがお得かもしれません。

この記事のアフィリンクから100人くらいSSDを買ってくれる方がいらっしゃればGM7000を購入して詳細レビューを書くことができるのですが、2万年経っても無理だと思うので、とりあえずこのネタは今回でいったんクローズということで・・・。皆さまの外付けSSDライフの一助になれば幸いでございます。


(20:42)

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