2020年06月15日

こんばんは、わーくです。

前回、Mac mini 2018+eGPUこそ真のDTMer向けMacだ【接続編】なんて記事を書いちゃって、「真のDTMer向けMacって、i9入ってるMBPじゃね…?」となっているわーくです。でも一度大風呂敷を広げてしまったので、ちゃんと畳むまで責任をもって書きたいと思います。

とにかく、112,800円+税で6コア8th i7が選べるMac miniが、eGPUを付けるだけでパフォーマンスが数倍になるというのが面白いわけです。数倍と言っても、ピークが数倍になるわけではなく、ちょっと残念な表現ですが「音がプチプチ言って使い物にならなくなる」ボーダーがものすごく上がるということです。「i7で10万超えるとか既に高くね?」と思った方、Macにコスパを求めるとお腹が痛くなるのでやめましょう。

さて、どのくらいiGPU→eGPUでパフォーマンスが上がったのか。具体例で言うと、iGPU(Intel UHD Graphics 630)のみの時は、バッファ192に設定して、VPS Avengerを3トラック立ち上げただけで、時々CPUが振り切ってしまっていました。その瞬間、音も途切れます。ホントにi7入ってんのか!?とツッコみたくなるくらい悲しいですね。AvengerはUIが派手に動くのので、GPUへの負担も大きいのも起因していると思います。

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iGPUの使用率が高く、CUBASEのCPUメーターが半分くらいなのに、突然CPUメーターがスパイクして音が途切れます。

しかし、eGPU(RADEON RX570 4GB)に接続し、全ての画像処理をeGPUに任せた状態だと、Avengerを8トラックまで増やし、バッファを32にしても全然プチプチいわないのです。すごい!トラック数が倍以上で、バッファ1/6なのにちゃんと動くとかどんだけよ!

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CPUメーターが振り切ってるけど音が途切れない!UIをたくさん表示させていても大丈夫!でもAMD Radeon RX 570の使用率は100%張り付き状態wそれにしてもバカっぽい画面ですねw

…あれ?でもよく聞くと小さくプチプチ聞こえるかも…CPUメーター振り切ってるし、プチプチ言ってないわけないですよねw「全然プチプチいわない」はちょっと盛りすぎでしたか。

でもですね、今までと全然違うのは、CPU負荷が100%になっても「再生が止まる」「音が途切れる」ことは一切無い、ということです。CPUメーターが突然スパイクして止まることが無くなりました。高負荷時の粘りが違うというか。。曲作りの序盤で「もうCPUが悲鳴上げるの?早すぎだろ!」ということが無くなりそうです。まあ選んだプリセットによってAvengerの1個あたりの負荷が違うので一概に今までの3倍以上使えるぜ!とは言えませんが、少なくとも2倍くらいボトムアップされていると言えるのではないでしょうか。

そして、発音数が増えることも嬉しいですが、UIをたくさん表示させていても大丈夫なのがポイント。最近のプラグインのUIはカッコいいものが多いですから、値を設定した後も無駄にUIを表示させておいて悦に浸るという楽しみ方がしたい向きにとっては、eGPUは必須であると言えるでしょう!!今まではプラグインのUI全部閉じないと再生すらできないプロジェクトとかありましたから…。

ところで、Geekbench Browserによると、RADEON RX570は、iGPUと比較してMetalのスコアで8倍以上の処理能力をもつわけです。要するに画面描画全般において8倍高性能なんです。しかし、CUBASEの使用中はGPU使用率はほぼ100%に張り付いたままです。どんだけ重いんだよ!

gpu100percent

ということは、GPUの描画のうち、いくらかはGPUが「ギブアップ」して描画されないわけです。UIの滑らかな表示がほんの少しガタつくのはこのためでしょう。以前Catalina+RX5700で実験したときは、GPUの使用率は50%ちょっとだったので、CatalinaのドライバーでRDNAアーキテクチャのグラボを動かすなら、おそらく100%取りこぼし無しで画面描画できることになります。

じゃあそのために、3万円くらいするeGPUケースに、さらに3万円近く出して最新のグラボを入れ、さらにCatalinaにする必要があるのか?私は「そんな必要は無い」と思います。あくまで音の処理をCPUに頑張ってもらうためのeGPUなので、完璧にDAWとかプラグインの画面表示を60fpsでこなしてもらう必要はないわけです。雰囲気でいいの雰囲気でwいくらかGPUの処理がオーバーフローしても、実害はゼロなので、GPUメーターが100%に張り付いていても気にしないのです。そのために、画面描画を外部GPUに丸投げしちゃってるんですから!

というわけで、Mac miniの「トップレーサー兼ハードワーカー。」な実力を100%引き出すために、eGPUを導入するのは個人的には「超おススメ」です。DTM用途なら、1万円そこそこのGPUで十分に使えます。HDCP保護されたiTunesやストリーミングサービスのコンテンツをeGPU経由で楽しむ予定が無ければ、消費電力が低く安価なRX560を選択するのもありでしょう。(とはいえ570や580も、チップの電力管理が賢いので、電気代や熱に悩まされることもないと思います。)4万円ちょっとの追加出費は痛い(正直激痛)ですが、それ以上のパフォーマンスアップが期待できます。

余談ですが、iGPUのみでCUBASEを使っている時に、eGPUの電源を入れると、CUBASEの画像処理は引き続きiGPUが行い、ほかの描画をeGPUが行うという状態になります。さらにMac miniのHDMI接続を切断すると、わざわざCUBASEの描画をiGPUにさせて、それをeGPU経由でディスプレイに送るというスーパー無駄な処理をさせる環境が出来上がります(笑)この、MacのiGPUで処理した映像を別のGPUのアウトプットから出力するって処理、重たいんだろうなあ…興味深い現象でした。

最後に。appleさんお願いです。DTMer向けに、Mac miniのカスタマイズにショボショボでいいのでdGPUを加えてください…+1万とかでRADEON 5300M 4GBくらいのやつ…たぶん4Kシングルディススプレイならそれで十分のはず…熱問題があるならMac miniの本体を1cmくらい厚くしていいので排熱対策をしてください…お願いしますm(_ _)m


(20:00)

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